借金問題でもっとも多く利用される解決手段│任意整理とは?(流れとメリット・デメリット)
借金問題を解決する手段は、大きく分けて「任意整理」「個人再生」「自己破産」があります。
中でももっとも多く利用されている手続きが「任意整理」です。
ここでは、「任意整理」がどのような手続きなのかを、メリットとデメリットという観点から、解説していきたいと思います。
もくじ
任意整理ってなにをするの?
任意整理は、司法書士や弁護士が代理人になって、クレジットカード会社、消費者金融、銀行、信用金庫、保証会社などの債権者と、将来利息のカットや弁済期間の延長などについて交渉をし、話し合いで借金問題を解決していく手続きです。
自己破産や個人再生とちがい、任意整理は裁判所を介さずに行う手続きです。このため、自己破産や個人再生と比べて、比較的簡単にすることができます。
任意整理の流れ
- ①ご相談・方針決定・任意整理についてのご説明
- じっくりお話をお伺いし、今後の方針を決定します。任意整理の流れ、メリット・デメリット、費用等についてご説明します。
- ②債権者へ受任通知を送付
- 受任通知を送ることで債権者からの督促や取り立てが止まります。
- ③債権の調査
- 開示請求をして取り寄せた取引履歴などから、債権の調査を行います。時効援用ができないか、過払い金はないかの確認も行います。
- ④和解案の作成・送付
- 債権調査の結果から、将来利息のカットや弁済期間の延長などを盛り込んだ和解案を作成し、債権者に送付します。
- ⑤和解交渉
- 債権者と話し合いで交渉をしていきます。
- ⑥和解成立・弁済開始
- 和解が成立したら和解契約書を作成します。その後、和解の内容に従って、弁済を開始していただきます。
任意整理のメリット・デメリット
任意整理のメリット
- 多くの場合、将来利息がカットされます
- 毎月の返済額が減ります
- 業者からの督促や取立てがなくなります
- 自己破産や個人再生に比べて手続きが簡単に済みます
- 任意整理をする借入先を選ぶことができます
- 現実的な借金完済への道すじが見えるようになります
- 自己破産や個人再生と比べて費用が安く済みます
任意整理では、原則的に、将来利息のカットと弁済時期の延長(3~5年での分割払い)を主軸とした交渉を行います。
これにより、毎月の弁済額が減り、完済というゴールがより確実なものになります。
一括弁済ができる場合などは、元本の減額ができることもあります。
任意整理は裁判所を介さない手続きとなるため、より柔軟な対応ができることも利点です。住宅ローンなど、そのままにしておきたい債務については除外して、一部の債権者だけ整理するといった対応も可能です。
任意整理は自己破産や個人再生と比べ、簡単な手続きとなります。
自己破産や個人再生を司法書士や弁護士へ依頼すると、20万円~50万円の費用がかかりますが、任意整理では一社につき3~5万円が相場です。
手続きの期間も比較的短期で終わります(交渉開始から1か月~3か月ほど)。用意して頂く家計の資料の数量も少なくて済みます。
任意整理のデメリット
- 信用情報機関に登録され、5年~10年はクレジットカードの利用やローン契約ができなくなります(いわゆるブラックリスト入り) ※自己破産、個人再生も同様のデメリットがあります
- 必ず希望通りの和解ができるとは限りません
- 減額できるのは、基本的に、将来利息カットや遅延損害金のカットの範囲に限られ、自己破産や個人再生と比べて、借金の減額の効果が高くありません
任意整理は、裁判所を介さない手続きとなりますので、強制的に債務を大幅に減額させたり、ゼロにしたりすることはできません。
任意整理では基本的に将来利息のカットや遅延損害金のカットを主軸に交渉を行っていきます。多くの業者は交渉に応じますが、業者によっては、頑なに応じないところもあります。
信用情報機関に登録されるデメリットへの対象方法
与信情報機関とは、クレジット会社や消費者金融、銀行などのが加盟する団体で、貸付や取引に関する個人情報を収集し、その情報を与信の際の参考資料として加盟各社に提供しています。
任意整理、自己破産、個人再生などにより、事故情報として登録がされると、5~10年の間は、クレジットカードの作成、キャッシングの利用、住宅ローン契約、携帯電話端末の分割払い契約などができなくなります。まれにですが、賃貸住宅の入居審査に通らないといったこともあります。
カードが使用できないことで不便を感じる方には、デビットカードやプリペイド式カードを使用するという対処法があります。
デビットカードやプリペイド型のクレジットカードは、与信審査なしで作成できます。
日常のショッピングのほか、海外で使用できるタイプもあります。ETCを利用される方には、ETCパーソナルカードというデポジット式のカードがあります。
このほか、家族の方が契約者になっている場合には、家族カードを利用するという方法もあります。
この記事のまとめ
任意整理は、司法書士や弁護士が代理人となって債権者と交渉し、将来利息のカットや支払期限の延長を盛り込んだ和解を成立させる手続きです。
デメリットとしては、
- 信用情報機関に登録される
- 希望通りの和解ができるとは限らない
- 自己破産や個人再生と比べて、減額の効果が小さい
などが考えられますが、
- 業者からの督促や取り立てが止まる
- 将来利息カットや支払期限の延長で弁済がしやすくなる
- 一部の債権者だけ整理するなどの柔軟な対応ができる
- 手続が比較的簡単
- 費用が安く済む
などのメリットにより、債務整理の中でもっとも多く利用されている手続きです。
借金問題をそのままにしおくと、次第に状況が悪化して、さらに返済が難しくなるという事態が考えられます。悩んでおられる方は、一度専門家にご相談されてみるのはいかがでしょうか?
あなたにあった債務整理の方法をご提案し、メリット・デメリットについても、わかりやすく丁寧にご説明いたします。
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